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不確実性の壁を越える挑戦
―多角的な知見でビジネス課題を解決する数理とAIの活用
K.I|2019年キャリア入社
DX推進部
AIソリューションチーム
私が所属するAIソリューションチームは、2021年に発足した当社の中でも比較的新しいチームです。数理技術やAIを活用し、お客さまの事業におけるデータ分析や最適化、予測などに取り組んでいます。特に、北陸電力グループの一員として、電力需要予測に長年携わっており、地域住民の暮らしやお客さまの事業に直結する重要な役割を担っています。
私たちの仕事は、これまでの電力使用量やその周辺環境に関するさまざまなデータを収集・連携させ、予測を導き出す仕組みを構築することです。しかし、データがあればそれだけで必要な情報が得られるわけではありません。電力を生み出し、届ける現場の方々の知見や経験を引き出し、それを数理技術に反映させることで、より現実に即した精度の高い予測が可能になります。
電力需要は、気温や湿度といった気象条件だけでなく、休日やイベントなど人々の行動パターンにも影響を受けます。また、太陽光や風力といった再生可能エネルギーの発電量にも左右されるため、非常に複雑な要因が絡み合っています。
こうした多面的な要素を考慮しながら、電力需要予測の精度をさらに高めることに挑戦しています。社会インフラを支えるという使命感と、より良い予測を実現したいという意欲を胸に、日々取り組んでいます。
大学院では数学を専攻し、特に偏微分方程式に関する研究に取り組んでいました。この専門知識を活かして社会に貢献したいと考え、大学院修了後は原子力関係の安全性を数値解析技術を用いて評価する仕事に従事し、現場での経験を積んできました。
その後、地元富山に戻ることを決意し、これまでの経験を活かせる環境を求めて出会ったのが当社でした。電力自由化が進む中で、電力事業に関わる企業として新しい挑戦ができる可能性を感じたことが、入社を決めた大きな理由です。ここで自分の専門性を活かし、社会的に価値のある成果を生み出したい。他の人にはできない独自の成果を出していきたいという思いが強くありました。
入社後は、最初の1年半ほどは数理的な分野ではなく、いくつかのシステム開発を担当しました。理想としていた業務とは異なる部分もありましたが、さまざまなジャンルの事業をサポートする経験を積むことで視野が広がり、その後の仕事にも大きな影響を与えました。
2021年からは現在のチームに所属し、私の専門性を活かした事業に深く関わることができています。自分の知識や経験が社会に役立っているという実感を得ながら、充実した日々を送っています。
最近では、北陸電力グループにとどまらず、製造業や行政機関などからもデータ分析や予測、AI活用の依頼をいただく機会が増えてきました。お客さまの事業内容が多岐にわたるため、その目的や課題もさまざまです。そのため、まずは「なぜ予測が必要なのか」「予測によって何を実現したいのか」を丁寧にヒアリングすることを大切にしています。
予測を行うことで全ての課題が解決するわけではありません。データ予測が本当にお客さまのビジネスに貢献できるのか、どの程度の精度が求められているのかをお客さまと共有し、認識をすり合わせることが重要だと感じています。また、予測結果を提供するだけでなく、その結果をどのように活用するかまで一緒に考えることが、私たち専門家の役割だと考えています。
電力需要予測においても、AIの活用により精度が向上し、現場運用者の業務負担軽減に貢献できているという手応えを感じています。今後は、太陽光や風力発電など再生可能エネルギー分野の予測にも注力していく必要があると考えています。
さらに、さまざまな企業とのコラボレーションを進めることで、当社の技術や価値をより広く社会に提供できる環境を整えていくことも課題の一つです。“予測”という技術を通じて新たな可能性を切り開き、社会に変化をもたらしていきたいと考えています。
出社。業務開始の準備を整えます。
週に一度のチームミーティングを実施。進捗状況の共有や課題の確認を行います。
開発や分析などの作業に取り組みます。
お客さまとのミーティング。予測や分析結果のフィードバックを行い、今後の改善に向けた提案を行います。
昼食。お弁当を持参することが多いですが、気分転換に駅前の店舗で外食をすることもあります。
論文を読んだり、セミナーを視聴するなど、情報収集やスキルアップに時間を充てます。
分析やモデリングなど、専門的な作業を進めます。
終業。業務を終え、翌日の準備を整えて退社します。